ミニマリストになりたかった私が、結局モノを減らしすぎて後悔した話

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ミニマリストになれば、人生が変わると思っていた。

2021年の春、30歳を目前にして「持ち物を最小限にしたい」という衝動に駆られた。ミニマリストのブログやYouTubeを見まくって、1DKの自分の部屋を「スッキリした空間」に変えようと決めた。

結果として、半年で80箱分のモノを手放した。服・本・食器・調理器具・家具まで。一時期は本当に「必要最小限」の状態になった。フォロワーのいないSNSに「持ち物が100個になりました」と投稿したのを覚えている。

そして1年後、「あのとき捨てなければよかった」という後悔で、買い直しに8万円近く使った。

断捨離でやりすぎた具体的なもの

本を全部手放した

「本は図書館で借りればいい」「電子書籍があれば十分」という理屈で、本棚を丸ごと処分した。200冊以上あった本を古本屋に持っていき、合計約3,000円で売った。

後悔したのは、繰り返し読んでいた本まで手放したことだ。「人を動かす」「嫌われる勇気」「ゼロ秒思考」——何度も読んでいたのに手放した。電子書籍で買い直すことになり、Kindleで合計7,000円以上かかった。

紙の本には「開くと気持ちが切り替わる」体験がある。電子書籍は便利だが、何となく本を手に取ってパラパラとめくる行動には代えられない。お気に入りの本だけは手元に残すべきだった。

調理器具を「フライパン1枚・鍋1つ」にした

「ミニマリストは調理器具を最小限に」という記事を読んで、フライパン1枚と鍋1つ以外の調理器具を全部手放した。ボウル、ざる、玉子焼き器、スチーマー……全部だ。

2週間で限界が来た。パスタを茹でながら炒め物を作れない。サラダ用の野菜を洗う場所がない。玉子焼きが作れないのでお弁当の選択肢が減る。料理の自由度が激下がりして、外食・コンビニ頼みになり、食費が月15,000円増えた。

結局ボウル・ざるセット(ニトリで1,200円)と玉子焼き器(2,000円)を買い直した。

来客用の布団・食器をなくした

「来客なんてそうないから不要」と判断して、来客用布団と食器を全て処分した。友人が泊まりに来た際には断るか、ホテルを勧めた。

これが対人関係に地味に影響した。「うちに来て飲もう」という気軽な提案ができなくなった。友人と自宅で過ごすという選択肢が事実上なくなって、外食か友人宅に行くかしかない状態が続いた。

「家で人と過ごす豊かさ」をモノと一緒に捨てていたと気づいたのは、友人に「なんかよそよそしくなったな」と言われたときだった。

テレビを処分した

「スマホで見られるから不要」という判断でテレビを処分した。ここは後悔がない。ただ、想像より「なんとなくつけておく音の環境」がないことが気になった。解決策としてスマートスピーカー(Amazon Echo Dot、第4世代 2,980円)を買って、BGMや天気予報に使っている。これは正解だった。

手放して本当によかったもの

着ない服・「いつか着るかも」の服

服はかなり積極的に手放してよかった。基準は「半年で1回も着なかったもの」と「着るとテンションが下がるもの」。

会社員時代に買った少し高めのスーツ2着、「おしゃれだけど実際には着ない」シャツ類、サイズが合っていないけど捨てられなかったデニム……これらを全部手放した。

残ったのはクローゼットの3分の1程度だったが、全部「好きで着る服」になった。毎朝の服選びがなくなって、むしろ気持ちが楽になった。これは間違いなく正解だった。

使っていない趣味グッズ

3年前に「やろう」と思って買ったギターと卓上旋盤(木工用)。合計で15万円ほどの買い物だったが、どちらも1年以上手をつけていなかった。

ギターはフリマアプリ(メルカリ)で25,000円で売れた。旋盤はジモティーで5,000円。手放してからの解放感は大きかった。「いつかやろう」という罪悪感がなくなった。

趣味グッズは「今使っていないもの」は手放してよかった、というのが結論だ。

プラスチックのカゴ・棚・収納グッズ

100均やニトリで買い集めていた収納グッズ類は、ほぼ全部手放してよかった。「収納グッズを増やす=モノを増やす余地を作る」という循環があった。手放すと、必然的にモノ全体が減った。

捨てすぎた後に学んだ、本当の基準

1年間の失敗から学んだ取捨選択の基準をまとめると、こうなった。

残すべきもの 手放してよいもの
繰り返し使う・参照するもの 半年以上使っていないもの
代替が難しいもの(本・思い出品) デジタルで完全に代替できるもの
人との関わりを豊かにするもの 「いつかやるかも」の趣味グッズ
使うとテンションが上がるもの 「もったいない」だけで残しているもの

「最小限を目指す」のではなく「自分が使うものだけを残す」という視点に変えてから、モノとの関係が落ち着いた。

今の部屋の状態

今は「そこそこミニマル」な状態だと思う。ベッド・デスク・チェア・小さな本棚・冷蔵庫・洗濯機……基本的な家具はある。服は厳選したもので1人分。本は50冊くらい(繰り返し読むもの中心)。

「部屋に何もない感」はない。でも「どこになにがあるか全部把握できている」感覚はある。これが今の自分にとって快適な状態だと分かった。

ミニマリストの発信する「持ち物○個」「引越し荷物が段ボール1個」という状態は、誰にとっても正解ではない。生活の豊かさは「モノの少なさ」では測れない。断捨離はゴールではなく、「自分にとって必要なものを見極めるプロセス」だと思っている。

捨てすぎた1年間も、今の自分の基準を作るためには必要だったかもしれない。ただ、8万円の買い直しは避けたかった。

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